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労働基準法改正、7日連続労働禁止が解除

2018-01-10
  • 労働基準法改正案が可決・成立

    労働基準法改正案が可決・成立

    立法院は1月10日、労働基準法改正案を可決・成立させた。焦点となっていた、7日連続労働を禁止する規定については、解除されることが決まった。野党は改正に反対。(写真:劉玉秋)

立法院は10日、労働基準法改正案を可決・成立させた。これにより、焦点となっていた、7日連続労働を禁止する規定が解除される。

 

労働基準法改正案の採決は、野党や一部の労働者団体が反対する中で行われ、過半数を占める与党・民進党の賛成で可決した。

 

国会議長に当たる蘇嘉全・立法院長は、法案の審議結果を発表し、「第32条の条文、第32-1条の条文の追加、および第24条、第32条、第34条、第 36条、第38条、86条の条文改正を可決する」と表明した。

 

今回の改正の重点は、次のようなものとなっている。

 

まず、従来の制度では、6日間連続して働いた後に7日目も続けて働くことは禁止されていたが、改正後は7日間ではなく14日間を1つの周期として休みを調整することが認められ、これによって7日間以上の連続労働が可能となる。ただし、調整を行う場合は、労働行政を管轄する中央政府機関が指定する業種に限られる。また、労働組合の同意が必要で、労働組合がない場合、労使間の会議を開催して合意することが条件となる。また、従業員が30人以上の事業所は、地元の労働管轄機関の査察を受ける場合がある。

 

また、シフト制の労働形態を採用する場合、従来の制度では仕事と仕事の間隔は11時間開けることが義務付けられていたが、改正後は特殊な理由がある場合に限って、管轄機関の発表を経て、間隔を8時間に短縮することができるようになる。

 

週休二日の休日に出勤する場合の残業手当は、従来の制度では「1時間働けば4時間分」「5時間働けば8時間分」の残業手当を支給することが義務付けられていたが、新しい制度では、この場合の残業手当は、実際に働いた時間で計算する方法が採用されることになる。

 

1カ月当たりの残業時間の上限は、従来の46時間から、改正後は54時間に増える。ただし、3カ月間の残業時間は、累計138時間を超えることはできない。

 

さらに、今回の改正では、有給休暇についての新しい規定が加えられており、従業員が消化しきれなかった有給休暇は、労使双方の話し合いで翌年に繰り越すことが可能となり、翌年または雇用契約終了時にまだ消化しきれていない場合、雇用主はその分の賃金を支払うことが求められる。

 

改正後の労働基準法は、今年3月1日から施行される予定だ。

 

今回の労働基準法改正について、総統府の林鶴明・報道官は10日、「与野党の間で法改正に対する立場は異なっているが、労働者の権益を守るということでは一致している。改正案の可決を受けて、政府としては引き続き労働者の権益のために努力すると共に、経済の転換を促進し、産業構造と労働制度を発展させることに努力する」と語った。

 

また、与党・民進党は、「労使双方にとってメリットがあり、安全で柔軟性がある」と表明した。

 

これに対して、改正に反対していた野党第一党の国民党は、「労働権が失われた」「民主主義の恥だ」と批判した。

 

また、国民党の呉敦義・主席は、「連続労働日数の制限と、シフト制の仕事と仕事の間の間隔に対する制限は、緩和すべきでない。民進党が数に頼って改正案を強硬に通過させたことは、働く人たちの健康と生命の安全を脅かすことになるものだ」と批判した。

 

改正に反対して、政党間の折衝、それに決議を欠席した野党第二党の時代力量は、「週休二日制の目標からさらに遠ざかった」と指摘し、改正案の可決に強く抗議した。また、今後、最低賃金法に関して住民投票を実施する方向で運動を進めると共に、国定休日法の制定を推進する方針を示した。

 

今回の労働基準法改正に反対して、立法院の外で抗議行動を行っていた一部の労働者団体は、改正案の可決を受けて強い抗議を示し、与党・民進党は労働者の権益を踏みにじるものだと批判している。一時は警官隊ともみ合う場面もあった。また、今後、住民投票を発動して、今回の労働基準法改正を覆すと共に、次の選挙で民主進歩党に投票しないことで抗議を表明する考えを示した。これらの労働者団体は、今後、抗議行動を各地に広げていく考えだ。

 

一方、経済団体の多くは、今回の労働基準法改正について、「満足できる内容ではないが、受け入れることはできる。政府と民進党の努力に感謝する」と表明している。しかし、週休二日の休日の残業の際の残業手当について、「2時間まで平日の賃金の3分の4、3時間目から3分の5」とする規定が維持されたことについて、不満を示しており、また、こうした残業手当の規定では、働く人たちは残業をさせてもらえないだろうと指摘した。